WEBER METAUX, PARIS. 懐かしの金属専門店「ヴェバー・メトー」マレ地区, パリ

2017/09/14 「Weber Metaux ウェバー・メトー」というmetalー金属ーの専門店がマレ地区にあり、16年ぐらい前、パリの11区に住んでいた頃、作品につかう鉛の板(1〜3mmの薄いタイプ)をよく買いにいっていたのですが、そこがいつの間にかギャラリーになっていると知り、マレのギャラリー巡りの際に、久しぶりに行ってみました。





そうそう、この入口!なんて懐かしい。まだWEBERという標識があったので分かりました。
WEBER METAUXとネットで調べると、HPはあるようです。まだMarais, Parisのアドレスもあります。
住所: 66 rue de Turenne, 75003 Paris

https://www.weber-metaux.com/

このHPの写真↓も懐かしい。
この金属専門店はこの通路の一番奥が広い工場になっていて、山と鉄関係のものがあったのです。右の写真のような金属の鉄や鉛もロール状でおいてありました。





この頃は以下のような鉛をつかった作品を作っていたので、よくここに買いにいっては重いロール状の鉛をキャリアーで運びましたっけ。





これは2005年の私の展覧会カタログから。制作年は2002~2003年。
この頃、鉛を使っていて、腐食させたりセメントなどをつけ、コラージュなどしている作品をつくっていました。
こういう鉛の作品をつくっていた時、パリジェンヌが私の作品をみて、「パリの屋根は鉛でできていてパリの人には馴染みの深い色や質感であるけれど、こういった表現はみたことがない。異邦人である貴方の方がパリを端的に表現している」 と言われたことを覚えています。

あの鉛、まだ残りがあるかも、とアトリエの材料をしまってあるところを見てみると、ありました! ほんの少し残っていました。 もうパリで簡単に手に入らないと思うと貴重に思えますね。 厚さが薄い鉛なので、ロール状に巻いてあるのです↓











現在のアトリエの天井:この鉛でつくった大小のリボンちゃんがゆれています。



ホームページをみると、このWEBER METAUX ウェバー・メトーは、1889年から営業している金属とプラスティックの専門店と書いてあります。
100年以上の歴史に幕を閉じたのでしょうか。閉店がパリのお店だけならいいのですが。

作品の材料を買いに行っていた場所なので、私にとっては特別な思い入れがある場所なのです。
当時、16年前もここは昔のマレ地区の風情を感じたものですが、今でもその風情は残っていました。







左のガレージだったところが今はギャラリーになっています。

この鉄製の支えに”WEBER METAUX AU FOND A DROITE と書いてあり↓
”奥の右側です” の表示をみながら奥まで行ったものでした。
というのは、奥に行くまで距離があり、車も置いてあり、ほんとにここに店があるのか不安になる感じだったからです。 











この鉄枠を後ろからみると、"Je vous remercie, à bientôt." の文字が。
”いつもありがとうございます、また近い内に” という意味です。 
これを見てどれだけのお客様が行き来したことか。







壁などがそのままになっているのが良いですね。







壁の質感や文字が味わい深いです。



奥の右の工場がどうなっているのか奥まで行ってみると、









ここが、金属製品を売っていた工場の入口になっていたのですが(天井が懐かしい)、Parrotという家電製品?の企業のショー?新製品の実験?のような準備をしていました。

なにしろ奥行きが広く天井から光が差し込む工場の跡なので、今では企業のショーやファッションショーなどにも使われているようです。 
現代の製品を白い殺風景なキューブ状の空間でお披露目するよりも、この古びた風情は味わいがあるので効果的でもあるのでしょう。

...... 時間が経ったのだなあ、という複雑な気分になりながら、手前のギャラリーものぞいてみました。





ギャラリーの入口 
ここも当時は MEBER METAUXのガレージになっていたところです。

このギャラリーのHP↓









現代美術を専門にやっているようです。
真ん中はビデオ作品で、私が来たので、音をスタッフがつけたのですが、DJのようなのがうつっていて、騒音、といった音でした。





空間は、元ガレージだった広い空間の天井の木の質感はそのまま残し、壁を白く綺麗に塗って上手くギャラリー空間にリノヴェーションしていると思います。

ですが、肝心の展示している白黒作品は、まくれあがっていて、わざと雑っぽくしているのか!? ヤングジェネレーションの世界やサブカルチャーをとりあげているのか? ともかく雑念だらけ、という感じで内容が面白くない!
空間はいいのに、どういうギャラリストなのか?? と思いました。
こういういかにも現代という作品は、実際のところもう古くさいと思うのです。






ビデオ作品も騒音なので、一刻も早く立ち去りたいという気分にさせられます。
それが狙い!? 
だから、誰もお客が入ってこないのか・・・
空間はいいのに残念な感じでした。



再び、入口のところの壁です↓





この古び具合、なんともいえず感じがいい。
この文字の書体や剥がれ具合や汚れは、そうとうの年月が必要です。


部分を切りとって撮ってみました ↓






















....こちらの方がアートだと思いました...





入口に信号がありました↓
工場へ出入りする車が行き来していた名残りを感じます。












「La chaise voyageuse」
MEBER METAUX, Paris, France.
14092017 ©️Uran-AsakoK.

「旅する椅子」
ウェバー・メトー, パリ, フランス


















Photos©︎Uran-AsakoK.
Uran-AsakoK.©droits réservés



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